「コーチングができる」とは
コーチになって5年目。
それでも、胸を張って「コーチングができます」と言い切れないのは、この本のせい。
「目標達成の神業」
所属するコーチングスクールの代表が、6年前に出した本。
これをもっと多くの人に知ってもらうためにと、先日漫画版が出た。
コーチとは、世界一優しさが問われる職業。
でも、「コーチのおかげで目標達成できた」なんて思われているようでは二流。
誰よりも深く、愛する人を応援するプロ。
全然、わからない。
わかった気にさせてもらえない。
だから考え続け、挑戦し続けないといけない。
ただ話を聴いているだけ、
やみくもに質問するだけ、
やたらに褒めたり全肯定したりするだけ、
決めつけたアドバイスをするだけでは、コーチングとはとてもいえない。
この人は、聴くことで気づける人なのか。
それとも自分では思いつけないような角度からの問いかけで、思考が深まる人なのか、
あるいは、一緒に作戦を考えてやることがクリアになる方が行動が加速する人なのか。
自己肯定感を高めて自信を取り戻すことが必要なのか、
むしろ過信に気づくことが大事なのか。
何が行動を止めていて、
どんな思考のクセが足かせになっているのか。
環境を変えることが効果的なのか、
今の場所で飛躍する方がいいのか。
決してこちらの思い込みを押し付けることなく、
観察して、話をして、想像して、相手になりきって、相手の身近な誰か(同僚、上司、恋人、ライバル…)になりきって、
いろいろな場所から、いろいろな時間軸から向き合って、
そっと確かめながら、手探りで進める、とても繊細なコミュニケーションをしているつもり。
どこまで達成できているかわからないけれど、毎回本気でなりきって、本気で向き合っている。
だからセッションが終わった後はシャツも脳みそも汗だく。
これで正しいのだろうか、もっと効果的なアプローチ方法があるんじゃないか。
そんな風に迷う時に、いつもこの「目標達成の神業」に戻ってくる。
わかった、とはまったく思えないけれど、
「このクライアントにとって、優しいって何だろう」
「この人が一番必要としている応援って何だろう」
みたいに、シンプルな問いに立ち戻ることができる。
コーチ5年目。そろそろ「コーチングできます」と言えなきゃいけないのかもしれないけれど、
まだまだ、です。
学び、実践し、汗をいっぱいかいて、登っていくしかない。
それでも、これまでセッションさせてもらったすべてのクライアントを、「ずっと応援している」と胸を張ることはできます。
ファイト。
ちょっとでもコーチングに興味を持ってくださった方、今だけAmazonで無料なのでこの機会にぜひ読んでみてください。
そしてもし「わかった」と思えた人がいたら、そっと教えてください。
「目標達成の神業」(上)10月27日まで無料で読むことができます。