音楽のある人生、文学のある人生
今日、長男と一緒に映画「BLUE GIANT」を観てきました。
結論からいって、映画を観て泣くことはあっても、最後に1度ホロリ程度のことが多いのですが、この映画は4,5回は泣いてしまった。
ストーリーを知っているのに、もう苦しくて熱くてやるせなくて、武者震いして。
漫画の原作を映画が越えたと感じたのは、記憶のゆるす限りこの作品と鬼滅の刃の「無限列車編」くらい。
原作のファン歴が長いので、正直、漫画のあの迫力を表現できるのだろうかと半ば疑っていました。音がないからこそ、想像の中で流れるサックスが素晴らしいんじゃないだろうかと。
でも、ぜんぜん違った。門外漢の私ですら、涙が出るほど素晴らしかった。
強くて激しくて、カッケーJAZZそのもの。
漫画と映像のセッションは、これまで体感したことがない新しい世界に引きずり込み、これでもかとばかりに音楽の素晴らしさを突きつけてくるようでした。
音楽のある人生って、きっと豊かなんだろな。
楽譜も読めない、音痴で不器用な私にとって、軽々と国境も人種も飛び越えられる「音楽」のある人生は近くて果てしなく遠い世界。
音楽というツールで表現できたら、どんな風に伝えられるんだろう。どんな風に受け取れるんだろう。
でも、代わりに私は、ささやかながら文学のある人生を味わいながらここまで来ることができた。
(日本文学科出身のくせに)えらそうに言えるほど純文学の名作をたくさん読んできたわけではないのですが、
つらい時、悲しい時、自分のいる世界が小さく狭く感じる時、仲良くなれそうな物語の戸をたたき、そこに救いや学びや心が震える体験を得てきました。
きっと、魂が身を寄せる世界をひとつは持っていればいい。
音楽のある人生ではなかったけれど、私は人生に文学があってよかった。
それが人によって絵だったり造形だったり、写真だったり身体表現だったり、グラフィックだったりするかもしれないし、
歴史や城や遺跡や、哲学やさまざまな概念なのかもしれない。
「自分の人生にこれがあってくれてよかったな」と思えるものがあれば、きっと強く生きていける。
そういう大切なことに気づかせてくれる映画でした。
これは本当に、レンタルとかじゃなく、映画館で観るべき作品です。音響設備がちゃんとした劇場だからこそ、より深く深く響きます。
あーーー、ジャズってんなあ~~~!!!!!!
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