「やまと絵」展で国宝に酔う
先日ライティングコーチのクライアント様と対面セッションの後、
そのまま一緒に「やまと絵」展に行ってきました。
https://yamatoe2023.jp/index.html
こう見えて私、日本文学科出身(笑)
専門は近現代文学でしたが、平安文学も大好き。
小学生の頃は十二単に憧れて、「あさきゆめみし」を片手に、
髪の長い平安美人の後ろ姿の絵ばかり描いていました。
それに最近原田マハさんの「風神雷神」を読んだばかりだったので、屏風絵・襖絵への憧憬も高まっていたところ。
だから「やまと絵」という言葉を聞いただけで鼻息が荒くなる準備は万端だったというわけです!
しかもノーマークだったのですが、四大絵巻が30年ぶりにすべて見られるのは、開催スタートしたばかりのこの時期だけ!!(10月22日まで)
日本絵巻史上最高傑作といわれる四大絵巻とは、「源氏物語絵巻」「伴大納言絵巻」「信貴山縁起絵巻」「鳥獣戯画」の4つ。
もちろんすべて国宝です。
(ああもう、作品名を描いているだけで震えてくる・・・・!!)
時期によって展示される巻が異なるのですが、私が見に行ったタイミングは、源氏物語絵巻なら逢坂の関で空蝉と再会したシーンである「関屋・絵合」の巻。切ない。
時間の流れを感じさせる褪せ感、それでも時代を超えて人の心を打ってやまない美への繊細なこだわり。
文学の最高峰の世界観を少しでも表現しようと、当時のアーティストが全身全霊を傾けたことが伝わってきます。
「やまと絵」展は昨年観に行った「国宝展」よりずっと作品との距離が近い気がして、「鳥獣戯画」も踊り念仏も目の前でじっくり見られるのです。
それはもう、鼻息でガラスが曇るほど(笑)
「和漢朗詠集」や「平家納経」など、和歌やお経、物語を書き記したものも、今だから美術品として飾られていますが、当時はきっと自分のために書き写したり、信仰の一環として取り組んだりしたもののはず。
それなのに紙の色変わりの組み合わせや、背景に描かれた装飾画、一文字一文字の繊細なこと、美しいこと・・・。
あそこまで繊細な作品たらしめんと人をかき立てたモチベーションって、信仰心だったのか、それとも美の表現へのあくなき追求だったのか。
とにかく、日本語って本当に美しい文字なんです。「り」とか「し」とか。
こんなにもうっとりと眺めていられる芸術的な形をした文字がほかにあるでしょうか。
見るもの見るもの、国宝・国宝・重文・国宝・・・みたいな、よくぞここまで生きながらえてくださいましたと手を合わせたくなるようなお宝ばかりなんです。「国宝酔い」しますから、まじで。
日本文学出身なんてえらそうに言いましたが、正直ほとんど背景知識なんて忘れてます。物語も思い出せないものがほとんど。
それでも十分楽しめるのは、「やまと絵」だからかもしれません。
日本の原風景とも言うべき「あはれ」あり、光あり、人々の日常あり。
描かれた動物たちはいとけなく、人々はのどかで表情豊かに魚を釣ったり噂話をしたり、驚いたり笑ったり。とにかく可愛らしいんです。
後ろに取材が入ってしまったせいでゆっくり見られず、後半駆け足になってしまいましたが。それもそのはず展示作品数が約240とハンパじゃない。
そのうち約7割が国宝か重要文化財だというのだから、そりゃしっかり目に焼き付けたくなるものです。ああもったいない・・・あと1時間は見たかった。
開催期間中、絶対にもう一度行く!とかたく心に誓いました。
数日経っても興奮がおさまらず、魅力が伝わったか不安ですが、それは行けば体感できます。毛穴全開で行ってみてください。後悔はしませんから。
そして当日、上野公園で10月なのになぜか桜がうっすら咲いていました。
やまと心を刺激されたのかな・・・? 藤壺の宮を偲んでいた?
#やまと絵展 #国宝