偶然の出会いを活かせる自分なのか、いつも試されている

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週末、ロンドンのカフェで体験セッションを提供してきました。

ロンドンでも、コーチングを続けたい。
それは渡英前の目標のひとつでした。

セルフコーチングによって自分の内側での会話を見直すことはできますが、
コーチングのベースにあるのは「応援」なので、だれかがいて初めて成立するもの。

コーチングを受けたいと言ってくださる人がいるから、私はコーチであり続けることができる。

だからこうしてロンドンに来ても応援させてもらえて、本当にありがたいことだと思っています。

キャリアの8割は偶然の出来事で形成される。

この言葉に触れる機会がここのところ続いているのですが、
「人の縁」は偶然なようで、積み重ねの部分も大きいと感じています。

取引先になるならないみたいな即物的な、いわゆる「人脈」の話ではなく、
こことここってつながってたの? 面白い! みたいな、めぐりめぐって面白い人が面白い人を連れてきてくれて楽しくなる…みたいなことがゆるゆるとキャリアになっていったりするもので、


そんな風に偶然の出会いが、めぐりめぐって何かにつながっていくような関わりを構築していくには、在り方が問われます。

信頼やその人のまとう雰囲気なんて、一朝一夕にできるものじゃない。

出会いそのものは偶然でも、その機会をなにかにつなぐことができるのか、その瞬間で終わりにするのかは、自分の非言語も含めたふるまいや空気感、積み上げてきた行動の結果。

だから誰かに出会うたびに、「この機会を活かせる自分なのか」を試されているとも言えます。

例えば、コーチングセッションも一期一会。

ただ耳障りの良い言葉を言ってもらえて心地よかった、たくさん話せてスッキリした、褒めてもらえて嬉しかった。そんな時間だったなら、その1時間で終わり。
その「スッキリ」「気持ちよかった」にお金を払ってもらったことになります。

この人に認められたい、この人がいると緊張感を持てる、この人だからこういう部分も思い切って見せられる。

コーチはそう思ってもらえる関わりができないとダメなんですが、
じゃあ自分の言動の何がそういう気持ちにつながるのか、私もよくわかりません。

でも、どれぐらい本気で自分と関わろうとしているか、目標を達成できると心から信じているか、
つまりこのつながりが自分自身の利益のためなのか、相手のためなのか、みたいなところは、肌感覚でわかるはず。隠していても伝わってしまうもの。

まして、お金をもらっているセッションだからいい顔をする、クライアントになるかまだわからない間はいい加減な態度を取るとか、ごく一面しか腹を見せないとか、そういう関わり方をしていると、等しくやってくる偶然の出会いの瞬間に「アウト」のジャッジをされてしまう。

だからといって、どんな人との関わりにおいても「いつ未来のクライアントになるかもしれないし」なんて下心を持って接していると、それもバレます。

だからやっぱり、いつだって恥ずかしくない自分でいるしかないのかな、と。

どうせ「偶然」に試されるなら、こういう自分でジャッジされたいと思える自分でいられるように努力する。

私の場合は、誠実でありたい。誠実な自分を哂う人との出会いは、機会にならなくていい。

セッションでは、「もしかしたらこうじゃないかな」「こう考えてみたらどうかな」「根っこにあるのはこれじゃないかな」と一生懸命考えて、あれこれ差し出してみて、

「これかもしれない」というポイントが見つかったら、それを実現するための行動を決めて、いつまでにこれをやってみると約束をします。

その約束が守られるかどうかは、コーチがどれだけ誠実に、どれだけ本気で向き合えたか、本気で考えられたか次第。つまり自分に跳ね返ってくる。

60分のセッションをして、その後2週間から1か月ほどの期間、コーチとの約束を守るためにクライアントは約束した行動をする。
例えば英語の勉強を毎日30分する、とか。ブログを週2回は書く、とか。

セッション中はできる気がします。目標に向けて気持ちも高揚しているし、アドレナリンが出てますから。


でも、日常に戻るとめんどくさいわけですよ。忙しいし、やりたいことは他にもあるし、コーチングで決めることは「重要だけれど緊急じゃない」ことが多いので、「今じゃなくていいか」と後回しにされがち。

やらない言い訳を考えようと思ったら、いくらでもあります。

それを「でも・・・!」と振り切って、自分を動かすには相当なエネルギーが必要です。

「コーチと約束したから」に重みがなかったら、すぐ反故にされてしまう。
コーチは上司でもなんでもないですからね。

眠くてもテンションが低くても、気になるマンガの続話が更新されていても、「でもやらなきゃな」と思ってもらうには、約束に相当な重みが必要。

ルフィは帽子を返すために一人前の海賊になるわけですよね? 知らんけど。

それだけのことをクライアントにしてもらうためには、コーチって「あり方」仕事、なんだろうなと思います。

一体どうすれば、3年前にした約束を今も守ってもらえるような、ずっとつながり続けられるコーチでいられるのかは大きな命題ですが、せめて誠実でありたい。

おいおい、最近誠実さがちょっと足りないんじゃないの?と思うことがあったら、ぜひフィードバックしてください。

#ロンドン #コーチング #ライター #駐在 #キャリア


ABOUT ME
中原絵里子
中原絵里子
編集・ライター・キャリアコーチ
大手教育出版社に20年勤務後、独立。上阪徹ブックライティング塾9期生、トラストコーチングスクール認定コーチ。
東京在住、3児の母。 コーチングでは、主に働く女性のこれからの働き方を決めるサポートや、ライティングのサポート、挑戦したいことに向けた伴走を行っています。
ライティングでは、教育、勉強法、進路、働き方、コミュニケーションなどをテーマにインタビューや記事作成、ブックライティングを行っています。
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