ライティング

意識して言葉に留まる

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若い人たちはタイパを意識して、とにかく早くコンテンツを通り過ぎようとする、それはなるべく「むやみに心を動かされないための防衛反応」といった趣旨の記事を読みました。

SNSも動画もコンテンツがたくさんあって、
ドラマや映画も漫画や本も、いつでも手元で見ることができる。

それだけたくさんのものに触れられる環境にあって、いちいち感動していたら身が持たないから、動画も映画も早送り、音楽はサビから始まってほしいしとにかくなんでも早く結論を知りたい。

途中の繊細なやりとりはまどろっこしく感じてしまうようです。

そういう指摘を読んで自分の行動を振り返ってみると、
早送りや速読まではしないけれど、
たしかに言葉の中に滞留している時間が圧倒的に短くなっていると自覚しました。

仕事でインタビューなどがあれば関連図書を数冊読みますし、
気になるテーマをインプットしなきゃ、と
次から次へと発刊される「読みたい本」を溜めてしまわないように、
どんどん読み進めているな、と。

本を片手にファーストフードでハンバーガーを詰め込むような味わい方で、
コース料理を一口ずつ、見た目や香りや器までまるごと楽しむような向き合い方はできていないなあと。

そんなガサガサした読み方だから、取りこぼしているものもたくさんあるはず。
数ページに何日もかけたり、ひとつの表現に立ち止まって思案したり、
そういう時間を意識して持たないと、どんどん自分の表現が薄っぺらくなっていってしまう。そんな危機感を抱きました。

私はライターとして原稿を書くのも早いほう。
インタビューでお話を伺ったり、打ち合わせで話し合ったばかりの熱が逃げてしまう前に書き上げたいというのと、気が小さいので締め切りに間に合うか?という緊張感に耐えられないというのが理由ですが、
原稿によってはあえて長くその場に留まる時間もつくった方がいいのかな、と感じています。少し実験してみて、変化を感じたらまた報告しますね。

ABOUT ME
中原絵里子
中原絵里子
編集・ライター・キャリアコーチ
大手教育出版社に20年勤務後、独立。上阪徹ブックライティング塾9期生、トラストコーチングスクール認定コーチ。
東京在住、3児の母。 コーチングでは、主に働く女性のこれからの働き方を決めるサポートや、ライティングのサポート、挑戦したいことに向けた伴走を行っています。
ライティングでは、教育、勉強法、進路、働き方、コミュニケーションなどをテーマにインタビューや記事作成、ブックライティングを行っています。
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