適度なタイムプレッシャーで自分を動かす

ericoach1

海外赴任というある意味特殊な環境にいると、これまでの生活ではあまり味わってこなかったストレスやプレッシャーがあります。

その一つが、強迫観念

何かやらなければ、少しでも価値ある時間にしなければ。
毎日毎日、時間がもったいないと思ってしまう。

だからといって、毎日観光に行ったり演劇を見たりしているわけではもちろんなく、
家の中で家事をしたり、仕事をしたり、合間に読書をしたりと、やっていることは日本にいる時とほぼ変わらないわけです。

このギャップに、ストレスを感じるのだろうなと。


いわば、2年間の時間制限でカラオケボックスにいるようなもの。
せっかくお金を払ってこのスペースにいるのだから、楽しまきゃ。盛り上げなきゃ。ストレス解消してスッキリしなきゃ。
ぼんやりしていたらもったいない。

この「せっかくなのに」根性が、自分を追い詰めるわけです。

「お時間10分前です」の電話がかかってくるまでに、どれだけ濃密な時間を過ごせるか。
その時、目的は達成できたのか。「あれ、もう時間?もっと楽しめばよかった」と後悔しないか。

そのプレッシャーで、しんどくなってしまう。

でも、私のようなものぐさな人間には、適度なタイムプレッシャーが必要。

とりあえず目の前の仕事をして、とりあえず目の前の楽しげなことをやって自分を甘やかして、疲れたらだらだらして。
ほっといたら、こんな「点」生活をずーっと続けてしまう。

でも私が借りているカラオケボックス「ロンドンの間」の契約期間は2年。

歌っていようが、踊っていようが、映画を観ていようが、だらだらしゃべっていようが、寝ていようが、リミットが来れば「お時間10分前です」の電話がかかってくる。

だからこそ、何をしたいんだろう、電話が鳴った時に「楽しかったね、そろそろ帰ろう」と思えるか、をひたすら考えることができる。

これ、疑似的な「期限」でもいいと思うんです。

実際に海外に行かなくても、何か強制力のあるタイムリミットを決めて、そこまでに「何をやりたいか」「どんな成果がほしいのか」「期限が来たときにどんな感情を味わいたいか」を決めて、やる。


自分との約束は簡単に破ってしまうなら、だれかと約束する。
(コーチの役割の一つでもあります)

制限や制約がないと、基本的に人間はなまけものになる。
惰性でなんとなく動いてしまう。

だから決めるわけです。
期限と、ノルマと、条件。

コストはどれぐらいまでかけてOK、ノルマを果たせなかった時はどうするか、例外はどまで認めるか。こういったルールを先に決めておく。

そして大事なことは、決めたルールを忘れないこと。

メモアプリに書いてデスクトップに貼るでも、手帳の裏表紙に書くのでも、だれかに宣言して進捗を報告するルールにするでも、やり方はなんでもいいのですが、忘れないための工夫を最初から仕込んでおくことがポイント。

そしてもう一つ、楽しむことも大事。

真面目な人ほど、ルールでがんじがらめにして自分を追い詰めたり、プレッシャーでつぶれそうになったりしがち。

いや、目的を思い出して? 
価値ある時間や充実して楽しい時間だったなと思うために決めたルールでしょ?

そんな風に、ゆるめてあげることも時には必要。

自分でかけたプレッシャーに負けて胃を痛めているようでは本末転倒ですからね。

はい、これ、自分に言ってます。


ABOUT ME
中原絵里子
中原絵里子
編集・ライター・キャリアコーチ
大手教育出版社に20年勤務後、独立。上阪徹ブックライティング塾9期生、トラストコーチングスクール認定コーチ。
東京在住、3児の母。 コーチングでは、主に働く女性のこれからの働き方を決めるサポートや、ライティングのサポート、挑戦したいことに向けた伴走を行っています。
ライティングでは、教育、勉強法、進路、働き方、コミュニケーションなどをテーマにインタビューや記事作成、ブックライティングを行っています。
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