ライティング

わからないことこそ、ていねいに

ericoach1

昨日、今日とひとつの原稿と格闘していました。
情報を集めても集めても、今ひとつつかみどころがないというか、
「よし、これでいこう」という方向性が定まらず、
ぐるぐるネットの海をただようばかり。

なんで難しいかというと、主語が大きすぎるからなんですよね。
ある教育関連のテーマに対する海外の事例を、というのが今回のお題なんですが、
「海外」ってどこやねん、と。

アメリカにしてもオーストラリアにしても、州が変われば状況は違う。
日本だって都市部と地方では課題が変わります。

こういう自分で取っ掛かりをつかめていないテーマの時は、
AIでネタ集めをしても全然ぴんとこないもの。
出てくる情報もふんわり、つるつるした、
わかったような気にさせるだけのよくわからない内容ばかりになりがち。
(にしても、無料版のClaudeの検索結果がかなり雑になった気がしますが調べ方の問題?前は文章で解説してくれていたのが、ざっくりした箇条書きしか出て来なくなったような)

自分がわかっていない内容なんて、書けるわけがないんです。
だから「そういうことか」を見つけるまで、ひたすらていねいにインプットするしかない。

こういう時は学術論文やパブリックな研究所が出している資料が一番わかりやすいので、腹をくくって読むしかない。
(省庁が出している資料ってめちゃくちゃ頭のいい人がまとめているからか、頭に入ってきやすくエビデンスも添えられた納得度の高いものが多いし、出典を示せば引用しやすいのでいいですよね)

いっぱい枝葉を集めて集めて、こんもり積みあがってきたころには「つまりこういうことかな?」という大筋が見えてくる。

そうすると、自分が面白い!なるほど!と思えたところを重点的に盛り込みながら筋道立てて書けばいいだけなので、書き始めてからは早いです。

そう考えると、あまりよくわかっていない、なんなら初見のテーマだとインプットに時間がかかって時間単価が下がるのかもしれませんが、
新鮮な「そういうことか!」にぶつかるタイミングが必ずあるので、面白い原稿になりやすいのかも。

勝手知ったるテーマだとついつい「こういうことでしょ」とわかった気になってしまうので、調べ方が雑になりがち。

うう、わかんない、どういうことなの・・・?と頭を抱えながら書くのはしんどいけれど、結果的にそっちの方がいい原稿になっているのかも。
そして自分としても、新しい引き出しが増えて振り返れば楽しかった、と思いやすいような気がします。渦中はしんどいけれど。

わからない、と思うテーマほどあきらめずにていねいに文献や資料にあたる。
それがライターとしての信頼につながる唯一の道なんだろうなと、しごく当たり前の結論でした。


ABOUT ME
中原絵里子
中原絵里子
編集・ライター・キャリアコーチ
大手教育出版社に20年勤務後、独立。上阪徹ブックライティング塾9期生、トラストコーチングスクール認定コーチ。
東京在住、3児の母。 コーチングでは、主に働く女性のこれからの働き方を決めるサポートや、ライティングのサポート、挑戦したいことに向けた伴走を行っています。
ライティングでは、教育、勉強法、進路、働き方、コミュニケーションなどをテーマにインタビューや記事作成、ブックライティングを行っています。
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