「考える」という難しい作業

ericoach1

実は私、まったく「考える」ことができていないんじゃないかと、
それっぽいタイトルのついた本を読み漁ってみたり、
そういうことが得意そうな夫はどうしているのかそれとなく聞いてみたりしたけれど、
いまだにうまく「考える」ことができているのかよくわかっていません。

「考える」ってつかみどころがなくて、
全体像もゴールもよくわからないから、けっきょく似たような場所ばかり撫でまわしている気がするし、
月じゃないけれど「これまで一度も見たことがない」面もあるんじゃないかと思ったり。

たぶん、考えたいところとか、楽にたどり着けるところばかりぐるぐるしてるんでしょうね。

たとえば今日は、ママ友とお茶をしながら「わが子がいかに勉強をしないか」ということについて嘆きあっていました(笑)

テスト勉強のやり方が偏っているだの、英検に申し込んだはいいもののまったく単語のひとつも覚えようとしないだの、子どもに任せているとタブレットやゲームばかり見るだの。

どこの家庭も同じようなことで悩みつつ、もう親の言う事に素直に従う年齢でもないので反発されつつ、どうしたらいいんだろうね、とため息と苦笑い。

でも、そもそもなんで親は子どもに勉強してもらいたいんだろう。

なんで子どもが(どうやら他の子と比べて)勉強していなかったり、いい成績を取ってこなかったりすると腹立たしくなるんだろう。

この根本的な問いに対して、うまく考えられずにいる気がします。
それっぽい回答が浮かんだとて、すぐにもう一人の自分から突っ込みが入る。

例えばこんなやりとり。

・「だって、学生の本分は勉強だから」→自分は学生のころそう思えていた?

・「だって、なんだかんだいってまだまだ学歴社会だし、いい大学を出ていないと将来どんな仕事に就けるか心配だから」→彼らが大人になっても本当にそう? 学歴と仕事ができるできないって関係なくない?

・「だって、やりたくないことでもやるときはやる習慣をつけておかないと、仕事で求められるから」→やりたいことをとことん突き詰めることの方が先じゃない?

・「だって、頭を使うスキルは生きるうえで必要だから」・・・なんとなく、このあたりでようやくしっくりくるような。。まあそうだよね、といったん腑に落ちる。


抽象的な概念をつかんだり、論理を組み立てたり、相手の主張や求めるものをくみ取ったり、知識と知識を組み合わせて新しいアイデアを生み出したり。
そういう高度な頭の使い方をするために、ちょっとずつ頭の筋肉を鍛えていっている。
頭脳で相手と戦って屈服させて、高い給料をもらっている人もいますし(ひそかにインテリヤ●ザって呼んでます)。

そうやってちゃんと頭を働かせて世の中の何かの課題解決に貢献したり、だれかの役に立ったり、今までだれも考えたことがないような新しいアイデアやサービスを創出したりといった、とっても高次元の幸福感を得ることにつながる「翼」を手に入れるための訓練は、ちゃんと取り組んでほしい。

親として、子どもに求めるものは「子どもが幸せな人生を過ごすこと」だから。

・・・みたいなことを「考えて」はいるつもりですが、いつもこの辺で満足して止めてしまっている。
この先に進むことができたら、また違う面がちらっとでも見えるかもしれないのに。

ちゃんとしっかり真剣に「考えて」いくうちに、どうにも不都合な事実を掘り当ててしまったり、なんだかんだ目を背けていたい部分が見えてしまったりすることもある。それは怖いし、しんどい。

だから適当なところで「こんなもんで考えたかな」とお茶を濁してしまうこともありますが、そうさせないためにも、考えるという作業に「書く」といいのかなと思います。

書き出して実体化すると、ここまで考えたよ、ここまでしか考えてないよというエビデンスになる。

何より、後から見返すことができるので、時間を置いて冷静になった、もはや別人格の頭で議論することができます。自分と。

実体化するということは、盛れないということでもある。実際に考えただけのサイズや形で、見直すことができてしまう。
そうすると「冷静に見ると、ロジックがしょぼいな」とか「あまりにも主観的」とか、「スコップで3すくいした程度の浅さやん」などなど、ツッコミを入れることもできます。

ここで「たいしたことがない自分の思考」のかたちを突き付けられるのは痛いものではありますが、ツッコミを入れつつ、そこからもう一段階発展させることもできるはず。

だから書きながらのほうが思考がはかどる感覚があるのかな、と思います。

たぶん「考える」ことはそんなにたやすいことではないから、フレームワークが存在するんだろうな。考えるガイド。あれも書き出すことが前提になってますよね。

考えるのがめっちゃ得意な人、どうやって考えているのかぜひ教えてほしい。
私の場合は、とにかく書くしかない、です。

ABOUT ME
中原絵里子
中原絵里子
編集・ライター・キャリアコーチ
大手教育出版社に20年勤務後、独立。上阪徹ブックライティング塾9期生、トラストコーチングスクール認定コーチ。
東京在住、3児の母。 コーチングでは、主に働く女性のこれからの働き方を決めるサポートや、ライティングのサポート、挑戦したいことに向けた伴走を行っています。
ライティングでは、教育、勉強法、進路、働き方、コミュニケーションなどをテーマにインタビューや記事作成、ブックライティングを行っています。
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