├コーチング的思考

お金の不安やモヤモヤを軽くするには

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ロンドンに来て3週間が経ち、ようやく生活が立ち上がってきました。

やっぱり、ロンドンは物価が高い。というか、円が安い。


ちょっとした「あれがあるといいのに」「これがないと不便」みたいなアイテムをちょこちょこと買っているうちに、2年間のロンドン生活に向けてコツコツ貯めてきたストックがみるみるうちに溶けていっています。

こんなので本当に2年間持ちこたえられるのか?と不安になるほど。

でもそれ以上に、ちょっとした生活雑貨や日用品から夏休みの旅行まで、
夫に「出しといて」「払える?」と言われることにモヤモヤするのは一体なんでなんだ・・・という考えがここのところ湧いてきてあまりに気持ち悪いので、ちょっと深堀してみたいと思います。

まず前提として我が家は圧倒的に夫の方が稼ぐ力はある。

私はたぶん夫の三分の一以下。前職でフルタイム会社員として働いていた時も、圧倒的に夫が大黒柱。
その夫がロンドンに転勤になり、「せっかくのチャンスだから次男を連れていきたい」というので、自然と私も帯同する流れになったのが今回。

私はインタビューをメインにここ数年ライターをしてきて、やっと安定してご依頼いただけるクライアントが固定されてきて、忙しく仕事していたのに、ロンドンに来たら対面取材はできない。

つまり機会損失が結構大きい。こちとらやりたいことを犠牲にしてきてるんだぞ、という思いはどこかにありそう。

あなたの都合でロンドンに来ているんだから、そこで必要な出費はあなたが負担してよ、というロジックを握りしめているのかもしれない。

また、基本的に夫は家事をしません。自分の食べたお皿を流しまで持ってきたらびっくりするレベル。ごはんをつくるどころか、お米も炊けない、洗濯機も回さない。

(ただ掃除は年に数回びっくりするレベルでとことんやる)

だから「あなたは仕事に全振りできているけれど、私はその分家事や子育てと両立させなきゃいけないんだから、稼げている人が生活費は負担すべきだよね?」というロジックも持っていそう。

大好きな取材仕事を2年間手放して、それでもスキマ時間になんとか仕事をしながらこちらにいても出来る仕事を模索して・・・といった努力で得たお金を、生活費として当てにしてほしくない、ということなんだろうか?

うわ。

こうして書いてみると、いかに自分にベクトルが向いていて被害妄想になっているのかがわかって恥ずかしいですね。。

実際夫は、ロンドンに来るまでにすでに3人分の飛行機代やら、健康保険やら、ビザの手数料やらをたくさん立て替え(これは一部戻ってくるものもあるけれど)、

ロンドンで住む部屋の高い高い敷金と家賃を払い、外食費を8:2くらいは払い、これからやってくる高いとうわさの光熱費の名義人になり、さらに次男の学校の入学金と学費を払い・・・と相当いっぱい払ってくれている。

慣れない環境の中で毎日電車で通勤し、周りから英語しか聞こえないオフィスで一生懸命会議の英語を聞き取ろうと努め、

家に帰れば次男の勉強やら夏休みの過ごし方やらに気を配り、日本に残してきた子ども達のケアもしてくれている。

そんな風に大変な思いをして稼いだお金を、日本の住宅ローンとロンドンの生活費にごっそり持っていかれながらも、なんとか週末や夏休みは少しでも楽しい時間を過ごせるようにと、お出かけの計画を提案してくれたり、外食しようと言ってくれたりしている。

全然「自分ばっかり」なんかじゃない。

だいたい、そうやって彼は彼なりに大きな負担とプレッシャーを背負ってくれているのに、私はそれに対して感謝や労いを伝えられているだろうか。
アクノリッジメント(承認)は足りているだろうか。

家族なんだから、役割分担がある。
お金をどっちがどれだけ負担するかも、そのひとつ。

我が家は向こう2~3年はこれまでの1.5倍くらいの生活費がかかるんだから、それは家族の一大事として「自分に何ができるか」と考えて、できる貢献をする。

「払う」だけじゃなくて、「ガマンする」こともそうだし、「安く済ませる工夫」もそう。おお、今日はプライムデーだ。

もし生活費を負担することになんだかモヤモヤするとしたら、
じゃあ自分が働いて得たお金を、どんな風に使えたらハッピーなのか?と考えてみるのもひとつです。

消耗していると考えるとしんどいから、対価として何を得たいかから考えてみるわけです。

私の場合は、「今しかできない旅行やお出かけ」「外食・お茶など家族で過ごす時間」「生活を楽にしてくれる、豊かにしてくれるちょっとしたアイテム」のためだったら、気持ちよく出したいと思えます。

今は節約志向だけど、じゃあもしもうちょっと余裕があったら何に使いたい?と考えてみても、
「家族や友人とお茶や食事をする機会をもう少し増やしたい」「せっかく行く旅行でオプションはケチりたくない」「たまには少しいいお肉を買って調理したい」「船便が届くまでの期間をしのげる防寒具や長そでの服を2,3着買いたい」ぐらいしか浮かんでこないんですよ。

(あ、でも超古くていいからこっちで日常的に乗れる車はほしい)

だから「ガマンせざるを得ない」と思っていても、こうした欲求を満たすために必要なお金って、私の場合、実はたいした額じゃないわけです。

あいまいに「足りない」「満たされない」と思っているとモヤモヤするけれど、
具体的に「何のために」「何が」「どのくらい」足りないのか、

それを満たすためにできることは何か、まず何から手をつけられそうか、と考えていくと、なんだかできそうな気がしてくる。

相手の都合に巻き込まれたのに不本意に払っていくうちに貯金がなくなっていく、と考えたらそりゃあ不安になりますが、

家族における自分の役割は何か、できる貢献やしたい貢献は何か、どういう状態になれば少しでも不安を軽くできそうか、そのために必要な行動は何か・・・と解像度を上げていくうちに、だんだん「なんとかなりそうな気がしてきた」と思えたりします。

こっちにいるから、できることもあるはず。
キャリアを少しリセットして、環境が大きく変わった中でじたばたしているからこそ、わかる思いもあるし、寄り添える人もいるはず。

不安な時ほど、行動しないと。

(ということでご依頼お待ちしております・笑)

と、ここまで書いたものを読み返してみて、たぶんお金の問題だけじゃないんだろうな、とうすうす感じていたことが明らかになった感じがしています。

ガマンしていること、あきらめたこと、合わせていることを知っていてほしい。
そのうえで、その我慢に対するリスペクトがほしい。

大げさに言うとその「犠牲」をあいまいにして、日常に溶かしてほしくない。

すごくざっくり言うと、そんな感じ。

でもそれは等しく自分にも跳ね返ってくる。

自分は果たして、十分なリスペクトを捧げられているだろうか?
見落としている相手の「我慢」や「あきらめたこと」「合わせてくれていること」はないだろうか。

機会や思いや時間。決してお金だけじゃない。

対等な関係、信頼し合える関係の間には、リスペクトが必要で、
そのためには相手が手放したりあきらめたり、耐えてくれていることに気づけることがとてもとても大切。

それは息子にも言えること。彼だって、我慢したり苦労したりあきらめたりしていることがきっとある。それを見落とさない自分でいたい。

自分がモヤモヤしている時は、きっと相手も同じ。
同じだけモヤモヤしているはず。

相手のモヤモヤにできる限りの想像を働かせ、言語と非言語でコミュニケーションを取って「気づく」こと。それが相手をリスペクトする、ということなんだろうなと思います。

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ABOUT ME
中原絵里子
中原絵里子
編集・ライター・キャリアコーチ
大手教育出版社に20年勤務後、独立。上阪徹ブックライティング塾9期生、トラストコーチングスクール認定コーチ。
東京在住、3児の母。 コーチングでは、主に働く女性のこれからの働き方を決めるサポートや、ライティングのサポート、挑戦したいことに向けた伴走を行っています。
ライティングでは、教育、勉強法、進路、働き方、コミュニケーションなどをテーマにインタビューや記事作成、ブックライティングを行っています。
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